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 椿神明社様(名古屋市中村区)
 椿 神 明 社 境 内 整 備 工 事


工期:2020年4月〜22年4月

椿神明社様は、名古屋駅の西側に鎮座しています。

2017年、JR東海が施行するリニア中央新幹線の事業用地として、境内を一部譲り渡すこととなり、設備工事が必要になりました。そのため、設計者を選定するプロポーザル(※1)が行なわれ、当社を選んでいただきました。

設計の打合せを重ねた結果、名古屋市内でも珍しい幄舎(あくしゃ)を備えた神明造の本殿を含め、全体的に伊勢神宮正殿などと同じように南へ向けるように、参道をやや東へ振る計画となりました。社務所・社殿を平行とすることで、土地の減少を感じさせない境内を目指しました。

工事では、今まであったものをできるだけ遺すよう、本殿・幄舎、拝殿、手水舎は曳家・屋根葺替え修理を、社務所は一部譲り渡す土地に建っていたため建て替えを実施し、2022年に完成しました。(工事のリポートはこちらでご覧になれます。)

※1 プロポーザル:提案内容とともに、方針、実施体制、実績なども含め、総合的に優れているかを基準に設計者を選定する方法。


インタビュー当日は、天気が良く陽光が境内に降り注いでいました。
新しくなった社務所内の集会室で、工事を振り返ってのお話を伺いました。

インタビュー参加者
 写真右から 宮司様、氏子総代の倉科様、青井様、加藤様
 工事を担当した営業、現場監督、インタビュー編集者

「もう、★5を付けたいです(笑)」
営業:
設計の打合せにお伺いしている期間、不安なこととかありませんでしたでしょうか。長い期間ありましたが。

氏子総代 青井様:
それは、無かったと思うよ。

氏子総代 加藤様:
うん、そんなことなかった。

営業:
設計案が固まった後、弊社を施工業者に決めていただきました。
その理由についてお聞かせくださいますか。

宮司様:
私は、元々知ってたから。
前いた若宮八幡社(名古屋市中区)で、(当社が2010年に行なった社殿の)屋根葺替え工事に立ち会ったので、様子はどんなものか知っていたので。
あと、神様事ですので、来た時にお参りされたり、御供を持ってきたりとか、真摯に対応してくれるところが、工事をお願いするにあたり、神事に対してもこれから配慮してくれるのかな、と思ったりして。
それから、氏子さんの青井さんが(当社が施工を担当した)名古屋市称名寺様の檀家さんで魚津社寺工務店の社名を聞いてたから。

氏子総代 青井様:
称名寺さんから「(当社が工事前〜工事中に)ものすごく打合せしてくれるからいいよ」と聞いていたから。

氏子総代 倉科様:
打合せや調査の後に、何かをやりっぱなしで帰ることが無かったしね。

宮司様:
設計も、提案として詳しく事例を出してもらって、細かく対応してもらったなと思います。
もう、★5を付けたいです(笑)

一同:
(笑)

営業、現場監督、インタビュー編集者:
ありがとうございます。

「俗にいう、和気あいあいということだね。」
営業:
施工中に感じたことを教えていただけますか?

宮司様:
うん、よかったよ。ずっと現場監督が現場にみえるから、色々お願い事も言いやすかったし。相談もしやすかったし。工事と直接関係のないことも相談に乗ってくれたりして。そういった意味では、不安は無かったですね。

氏子様 青井様:
いつも現場にいるからね、色々気に掛かることとか、「このへんおかしいんじゃないか」とか言いやすかったよねえ。

宮司様氏子総代 倉科様、加藤様:
うん、ねえ。

現場監督:
顔を見て話すのは大事ですね。

氏子総代 倉科様:
俗にいう、和気あいあいということだね。

氏子総代 青井様、加藤様:
(笑)

氏子総代 倉科様:
新築する前の社務所には、どうしても物が集まってきて誰のものか分からない物もあってね。

宮司様:
本来は工務店の仕事ではないんだけど、引っ越しの手伝いとかもやってくれてね。助かりましたね。

現場監督:
どうしても物は増えますからね。工事をするにあたり、だいぶ整理整頓しましたね。何があるかもわかるようになりましたよね。

宮司様:
家みたいになってね(笑)

氏子総代 青井様、加藤様:
すっきりしてね、住めるくらい(笑)

営業:
工事中も、神事をできるだけやっていただいて、私どもも参列させていただけてありがたかったです。

宮司様:
毎月(2日の月次祭)ね、報告してもらったりとか付き合っていただいて、(工事について思うことがあれば)言いやすかったね。お祭のときしか氏子で集まれないから、皆さんの合意を取れるタイミングはなかなか無いので(その日に工事の打合せができて)よかった。意見も吸い上げやすかったしね。
なかなか見ることのできない曳家もやるので、工程表を出してくれて「いついつにやるんだ」とか予定も把握できたしね。

月次祭後の月例工事打合の様子

社務所集会所 内観
「伝えていく、ということを僕らはね、」
インタビュー編集者:
工事が完成して、その後どうですか?

氏子総代 倉科様:
以前の社務所ではね、収納があんまりなくって。今回の社務所は収納が見た目以上に大きくて、上手に作ってもらったなぁ。よかった。

氏子総代 青井様:
使いやすくてね。以前の社務所の集会室は畳敷きでね。

氏子総代 倉科様:
お掃除も楽になったわ。

宮司様:
床を板にしてね、洋の間にしたら収納を増やそうと思えば何でも作れると思うんだけど、そっけない形になってしまうのでね。日本人として神社の和の雰囲気を残すというかな、そういうのが大事だと思ってて。伝えていく、ということを僕らはね、やっているんで。
(床に無垢板が敷いてある集会室には、掛け軸を飾る床の間と、椅子から見てちょうど良い高さに置物を置けるような床脇を作りました。インタビュー当日には、掛け軸と、立派な干支の寅の置物が飾られていました。)
部屋の真ん中に吊り板戸があって、床に敷居が無いのもいいし、閉めればエアコンの出す空気がいきわたりやすいところも気に入ってる。あと、間取りを変えたので、動線が良くなり、お供え物がしやすくなった。
私の希望で、(本殿前の)握舎の建物を変えずに、地面を段差のある自然石からコンクリートに変えてもらって神事の時も足場を安定させることができたし。水はけもよく、使いやすくなったね。

氏子総代 青井様:
建物と建物の間が広くなって良くなったしね。

氏子総代 倉科様:
土地を少し提供したけど、あんまり狭くなった感じはしないな。

氏子総代 青井様:
今までは、木があって、入っていいのかなという感じだったんだけど、(工事の後)お賽銭してくれる人も多くなってね。

インタビュー編集者:
今も椿の木などは残っていますね。

氏子総代 青井様:
うん、きれいでね。これはね、残してくださいって営業さんに頼んで。

氏子総代 倉科様:
切らない木はね、一本一本赤いひもを縛って(確認していきました)。

営業:
桜の木とか、ご希望を伺って残せるものは可能な限り残していきましたね。今回は、植物より建物を優先して残すことを考えての工事になりましたので、建物と植物のちょうどいいバランスを目指したつもりではおります。


社務所集会所 内観

(本殿前の)握舎 正面
「文化財じゃなくても文化財と同じように」
営業:
職人さんとは、直接話すことは無かったと思うんですが、印象はどうでしたでしょうか。

氏子総代 青井様:
よくやってくれたよね。

宮司様:
余計なことは喋らないし。

氏子総代 倉科様:
握舎とか本殿も、前にある形を上手に利用して、よくやってくれたよ。ほんとに宮大工って感じでね。

現場監督:
職人の皆さんは本当によくやってくれましたね。

宮司様:
魚津さんはね、文化財をやるということで。うちは文化財ではないけれども、伝えたいという気持ちでは、文化財と同じことなので。国宝くらいと同じ気持ちでお護りしているわけだから。そういった観点からも(文化財と)同じように工事していただいたからね。

現場監督:
文化財じゃなくても文化財と同じように施工することは、当社の職人にとっては当たり前のことなのでね。

営業、現場監督、インタビュー編集者:
本日は、貴重な話をお聞かせくださりありがとうございました。
すみません、長い間(時間を割いていただいて)。

宮司様:
いや、魚津さんを応援しているわけだからね。うん、やりやすかった。

営業、現場監督、インタビュー編集者:
ありがとうございます。


(掲載した内容の他にも、工事期間中の氏子総代様と現場監督の楽しい思い出話や、昔から参拝に来られている方が「何かあったら言ってね」と宮司様にお声を掛けてくださった話、この土地の戦時中・戦後の話など、沢山の興味深いお話を聞かせてくださいました。インタビューに伺った者としては、全部掲載したいところなのですが、字数の都合上割愛させていただきました。)

●椿神明社境内整備工事 リポート工事前後写真







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